スーパーシュワルツィの産卵や繁殖情報を調べる中、シュワルツィを含むいくつかのコリドラスの繁殖に成功した方が公開している情報を見つけました。今回はその内容について紹介したいと思います。
準備編
繁殖の準備として、以下のような用途に応じた環境を用意することを勧められていました。
産卵用水槽
スペースが許すならコミュニティ水槽とは別に用意すると良いとのことです。
詳細条件
- 36×15×12インチ水槽(約100㍑)
→ 約90×38×30cmなのでスリムサイズの90cm水槽でしょうか - 150Wヒーター
→ 水量100㍑と考えると、地域によってはもう少し出力の高いものが良いかもですね - 350㍑/hの内部ボックスフィルター
- ボグ木ひとつ
- 砂
- 照明
- 産卵用の水草
- 水温:23~24℃
- pH:約7.2
- 0ppmのアンモニア/亜硝酸塩
この水槽のキーポイントは「良い水の流れを作ること」のようです!それもあって内部ボックスフィルターなのでしょうか。それとも海外では90cmクラスの水槽にも一般的に使われるものなのか、詳しくはわかりませんが水の流れが大事というのは覚えておきましょう。
と・こ・ろ・で、このサイズの水槽を別に用意するのってなかなか厳しいものがありますよね(^^;一応、あんまり大きい必要はないけれど、「自分が今使っているのは上記大きさの水槽です」という感じでした。
孵化用水槽
孵化するまで卵を収容しておくための水槽です。
詳細条件
- 12×10×10インチ水槽(約20㍑)
→ 約30×25×25cmなので奥行のある30cm水槽でしょうか - 50Wヒーター
- スポンジフィルター&エアーポンプ
- エアーストーン&エアーポンプ
- 照明
- 水温:産卵用水槽と同じ
なんかあまり見ない寸法の30cm水槽ですね。水量も20㍑近く入るようですが、海外では一般的なサイズなのでしょうか。
稚魚用水槽
稚魚がある程度の大きさになるまで育てるための水槽です。いきなりコミュニティ水槽に入れるわけにはいきませんからね。
詳細条件
- 12×10×10インチ水槽(約20㍑)
- 50Wヒーター
- スポンジフィルター&エアーポンプ
- 照明
- 水温:産卵用水槽と同じ
育成編
さて、機材の準備は整いましたが、これでコリドラスが産卵してくれるわけではありません。ここからが本題です。
給餌計画
まず、雌がふっくらと抱卵した状態になるように餌の調整を行います。そのために厳密な給餌計画を立てます。具体例は以下のようになっていました。
- 1日2回から3回に給餌回数を増やす(AM9時、PM5時、PM11時)
- 午前中に高タンパク質のペレットを与える
- 午後は生 or 冷凍のエサを与える
- 夜には高タンパク質のペレットを与える
- 20分以内に食べきるように与える
産卵水槽へ移動
計画通りにエサを与えてしばらくすると、雌がふっくらしてかなり丸くなってきます。成熟度合いによっては数週間かかる場合もありますが、雌がこのような状態になったら産卵準備が整ったと思って良いでしょう。雌の準備が整ったら、雌と雄を1対2の比率で産卵用水槽に移します。産卵用水槽に移してからも、給餌計画通りにエサを与えることを忘れずに。
換水
給餌計画を守りながら、産卵用水槽の水温よりも約3℃低い温度の水で水換えを行います。水換えを行う量は産卵用水槽の水量の25%です。これを毎日行います。記載例では、約23.5℃の水温に対して、20~21℃の水で水換えしているとのことです。
産卵
給餌と水換えを続けていると、一週間ほどで雄が雌を見定め、噂のTポジションと呼ばれる繁殖行動が見られます。その後、雌は腹びれの間に卵を抱え、産み付ける場所を探して泳ぎ回ります。そして水槽のガラス面や水流のある平らな場所に産み付けますが、シュワルツィの場合は水草の葉の裏などに産み付けることが多いようです。
採卵
産卵の後、卵が食べられてしまう可能性があるため、見つけた卵は指で転がすようにして採卵し、孵化用水槽に移します。産卵直後の卵は押しつぶしてしまう可能性があるので、30分~1時間ほど放置して卵が少し固まるのを待ちましょう。(待ちすぎると粘着性が落ちて移動させづらくなります。また食卵の可能性も高まるのでほどほどに。)
卵は孵化用水槽の底ではなく、なるべく壁にくっつけるようにしてください。採卵したら水量に応じて適量のメチレンブルーを加えてください。これは卵をカビから守るために非常に重要です。そしてエアレーションによって卵周辺に水の流れが出来るように調整してください。
孵化用水槽に卵を移し24時間経過したら、同じ温度の水で50%の水換えを行います。また、有精卵は卵の真ん中に小さな点が見えるようになり、無精卵は白くなるため、白くなってしまった卵は取り除いてください。3日間毎日50%の水換えを繰り返し、4日目に卵が孵化する頃にはメチレンブルーの大半は取り除かれています。
(メチレンブルーに関しては賛否両論あると思うので、別の方法で対応するのもありかと思います。)
稚魚への給餌
孵化してから48時間はヨークサックから栄養を得るため、餌を与える必要はありません。毎日の水換えは続けてください。
孵化後2日が経過したらエサを与え始める必要があります。稚魚のエサにはブラインシュリンプがおすすめです。なぜなら生存率が高くなるからです。ブラインシュリンプが無い場合は、フレークや乾燥赤虫をすり潰して与えてください。エサは1日3~4回で、一度に与えすぎないように注意してください。
エサを与え始めてからは水質の変化に注意が必要です。スポンジフィルターを設置していますが、毎日25~50%の水換えを行います。
稚魚用水槽への移動
孵化から1週間が経過したら、稚魚用水槽に移します。
ひとこと、ふたこと、
情報提供者はアメリカ北部の方のようです。日本との違い(部屋の大きさや気温など)もあるので、全てそのまま実践というわけにはいかない部分もありますが、一つの成功例として参考にしたいと思います。
だんだん熱い日が多くなってきましたね。先日水換えしたのですが、「あれ?水換えしたら水温高くなった?」……そうなんです、水道水の温度も高くなってきていて、水槽の水温よりも低い温度で水換えすることも難しい季節になってきました(>o<)
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