(秋に書き始めた記事ですが、諸事情により投稿は冬になってしまいました。。。)
もう何年も使っているのにエアーフィルターのメンテナンスしかしていなかったので、さすがに心配になってきました。そこでこの機会に自分で出来ることはやってみようということでメンテナンス開始です!ちょうど90cm水槽のフルリセット作業も行っているところだったので、季節だけでなくタイミングとしても良い時でした。
オーバーホール作業
今回作業するのはゼンスイのZR-75Sというちょっと古い機種です。
現行はZR-75Eですが、大体同じなので参考にはなると思います。
水槽用クーラーのオーバーホールってなんかすごいことしそうですが、車のエンジンのOHみたいに一つ一つの部品を磨いたりなんてことはしません(^^;大まかな流れとしては以下のような感じです。
- 本体ケースの取り外し
- 清掃(内部、フィン、ファン)
- ファンの軸に潤滑油をさす
- エアーフィルター清掃
- 本体ケースの取り付け
- 配管内部の洗浄
- 消耗品交換
メーカーさんでも同じような作業(のスゴイ版)をしているだけで、中の部品を外してあれこれまでは通常やらないようです。
なお、いろいろな工具が必要な感じに書かれているサイトがたまにありますが、基本プラスドライバー1本あれば分解作業は可能です。プラスチック素材ですから電動工具も使わない方が良いですし、間違ってもモンキーレンチで締め付けなんてのもやめてください。一応注意事項としてそれぞれの作業工程の中で補足していくので確認してください。
本体ケースの取り外し
まず前面のパネルの下部、左右のぽっちをポチっとポチりながら手前に引きます。
前面パネルの上部はひっかけてあるだけなので、下部を手前に引いた状態であればすんなり外れます。前面パネルの液晶と本体はコネクタでつながっているので外します。
コネクタを外せば本体から前面パネルは分離できます。前面パネルの裏にはエアーフィルターがついているので、後で清掃するためスライドさせて外しておきます。(エアーフィルターの清掃だけならコネクタは外さなくても作業可能です。)
次に本体下部の左右のネジ3本×2を外します。プラスドライバーは少し大きめのものを使うと力もいれやすいですし、ネジの頭を舐めてプラスの穴を潰してしまうリスクも少なくなります。
電動工具を使う場合は回転の方向に注意するのと、あまりハイパワーのものを使わないように注意してください。ネジ山を傷めるとネジがしっかり止まらず、ガタが発生してクーラー稼働時にカタカタ鳴ってしまったりします。特に取り付け時は締め付け過ぎに注意しながら、出来るだけ手で締め付けることをおすすめします。
本体下部のネジを外し終わったら、今度は上部の配管接続部分(IN/OUT)のナットを二つ外します。ここは特に工具は必要なく手で回せます。もし固い場合は輪ゴム等を巻いて力が入りやすい状態にすれば外れると思います。
ここをモンキーレンチ等の工具で作業するのはおすすめしません。ベースがプラスチック素材のため、ネジ山が変形して最悪破損してしまう恐れがあるからです。特に取り付け時は手で締め付けるだけで十分なので、工具の使用は控えてください。
下がナットを外した状態 ↓↓↓
ここまで来れば後はケースを上方向に外すだけなのですが、知らないとハマりそうなことが一点あります。それはケース背面の配線部分がケースにくっついているんです。
こんな感じ ↓↓↓
でもまぁ、見て想像がつくと思いますが配線回りだけ分離できます。ケースを少し持ち上げて配線回りのいかにも分離できそうな部分(こんな形のとこ → ∩ )を下にスライドすれば外せます。
外したケース背面 ↓↓↓
外したケースの上からの眺め ↓↓↓
一通り外せたら固く絞った濡れタオルや雑巾で、前面パネルやケースを拭いておいてください。
清掃(内部、フィン、ファン)
無事にケースを外せたところで、内部の清掃を行いたいと思います。
前から ↓↓↓
画像手前にあるフィンにエアーダスターをシュコーっとやってホコリを除去します。クーラー稼働時にはファンが作動して前面から背面にかけて風が流れるので、フィンの裏側(ファンがついている面)からシュコーっとやった方が良さそうです。
エアーフィルターをこまめに掃除していれば、フィンにあまりホコリはついていないと思いますが、なかには絡まって取れづらいホコリがあったりします。その場合はやわらかめのブラシ等を使ってフィンの目に沿って掃き出してください。フィンはデリケートなのでやさしい作業を心がけてください。
フィンのホコリ取りが終わったら、フィンの裏側にあるファンに付着しているホコリを掃除します。(フィンとかファンとかややこしいですね。。。)これには固く絞った濡れ雑巾等を使ってください。なかなか狭くて作業しづらいですが、ファンの羽の裏表を忘れずに掃除してください。
左から ↓↓↓
あとは各所うっすらとホコリが蓄積しているので、ブラシや雑巾などできれいにしてください。クーラー液の配管や2mm位の銅線のようなものがあるので、折ったり曲げたりして破損させないよう作業時には気を付けてください。
後ろから ↓↓↓
右から ↓↓↓
ちなみに、メーカーさんではフィンもファンもその他の部分を含め、高圧洗浄機でガンガン洗うらしいです!!!もちろん完全に乾いてから動作確認をするみたいですが、ちょっと驚きです。
ファンの軸に潤滑油をさす
さて、ようやくマサヒコの……ヒコヒコ鳴ってしまう問題の対処です。音が鳴る原因はファンの軸部分がまわりと擦れているためです。本来はグリスが塗ってあり、軸を保護していて直接周りと接触しないようになっています。しかし、長く使っているとグリスが無くなり、今回のようにマサヒコが発生します。
このままだと音が鳴るだけでなく、軸が摩耗して被害が拡大してしまう可能性があるので、なるべく早く&できれば定期的にメンテナンスすることが大切です。
右からのアップ ↓↓↓
上からのアップ ↓↓↓
真ん中に見えるのがファンの軸部分です。左側にはファンの羽があり、軸と固定されています。右側が軸を回している部分で、音の発生個所になります。ここにグリスを適切に追加して、マサヒコにおとなしくなってもらうのが今回の最重要ミッションです(笑)
グリスは下の画像の矢印部分あたりに少し吹き付け、ファンを軽く手で回してなじませます。矢印部分から右側の軸が隠れている部分にグリスが行きわたるようにするため、なるべく境目に吹きかけてください。少量を数回に分けて行うのが良いと思います。付け過ぎないように注意してください。
使用するグリスですが、私は以下のものを使用しました。モリブデンが配合されているものが良いとのことだったのでこれにしました。極細ストローのようなノズルも付いているので、今回のような狭い箇所にピンポイントで吹き付けたい場合でも大丈夫です。
実はグリスの第一候補は下記でした。なぜこれにしなかったかというと、近くのホームセンターに売っていなかったからです(^^;
作業予定上すぐ欲しかったので第一候補はあきらめましたが、モリブデンも配合されているし、付属のノズルも極細なので良かったかもしれません。
(2020/8/1追記)
もっと良いものを見つけました。(追加情報はこちら)
エアーフィルター清掃
先ほど外したエアーフィルターを清掃します。これは軽く水洗いして乾かして終わりです。長い間サボっているとホコリが取れにくいことがあるので、その場合はやわらかめのブラシを使ってください。出来ればサボらず定期的にメンテナンスするのがおすすめです。
余談ですがフィルター部分の掃除はゼンスイ製品よりも最近のGEX製品のほうが格段に作業し易くなっていますね。別の記事にも少し書きましたが、フィルター部分のパネルが磁石で付いているので着脱が容易なうえに、メカニカルな着脱部品が存在しないので部品が劣化して建付けが悪くなる心配もありません。
本体ケースの取り付け
内部の清掃が終わったら取り外したケースを元通りにしていきます。これは取り外しの手順を逆にして行うだけです。
配管内部の洗浄
さて、本体内部の清掃が終わったら配管内部の洗浄も行います。これまたメーカーさんでは高圧洗浄機で配管内部も洗浄するみたいですが、残念ながら我が家には散水ノズルしかないのでこれを使います。一応ジェット水流みたいな出力にセットして、配管のinとoutから交互に水を流し入れて洗います。
洗面台のシンク横にクーラー本体を横向きに設置して、シンクに排水されるようにして作業しました。スペースを考えるとキッチンでやる方が良さそうですが、散水ノズルのホースが洗面所にしか付けられなかったので洗面所でやることにしました。お風呂場も考えましたが、クーラー本体の置き場がなく、床で作業すると本体も濡れてしまいそうだったのでやめました。
消耗品交換
もろもろの清掃が終わったら、最後に消耗品を交換して終了です。ここでいう消耗品とはコネクタと本体とをつなぐ部分のOリングです。長年使っているとゴムが固くなって劣化するので水漏れの原因になります。
下の画像の黒い〇部分がOリングです ↓↓↓
この部分を新しいOリングに交換します。今度はシリコン製です!!!
各社各製品の交換パーツが出ていますが、Oリングは大体シリコン製になっているようです。
おわり
以上でオーバーホール作業は終了です。ファンの鳴きをきっかけに始めた作業でしたが、グリスをさしたおかげで静かになりました。ファンの軸部分も幸いガタツキなどなかったので、これからも使っていけそうです。
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